隣に座っていいですか?これはまた小さな別のお話

「ただ松坂牛だけ、食べ損ねて後悔してる」
素直に言うと
今度はいつものように優しく私を抱き、額にキスして「ごめん」って笑う。

「食べ終わってから出て行って欲しかったなー」

「ガマンできなかった」

「紀之さんって」

「ん?」

「意外と俺様かもね」

そう言ってまた笑う私達。

「お腹空いたから、ラーメン食べて帰りたい」

「いいね。帰りはケーキ買って帰りましょう」

「賛成。桜ちゃん喜ぶよ」

そんな会話をしながら
俺様夫と今度はホントに一階へ降りる。

流行の壁ドンもされたし

嫌な思いもしたけれど

大好きな彼が私を守ってくれた

それが一番嬉しい私でした。




  【完】

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