隣に座っていいですか?これはまた小さな別のお話
私がうなずくと
「僕は、そこの社長の次男なんだ」
サラリと告白されてしまった。
お金持ちのぼんぼんだったのか。
なるほど納得。
どうりでしっかりしてなくて
フワフワと、地に足が着いてないヤツだと思ってたら。
そうだったんだ。
「だから彼女はそれを狙ってた。売れない翻訳家はポーズで、本当は金持ちで贅沢三昧してると思って、僕に近づき……桜を授かった」
玉の輿に
狙われたデキ婚?
「結婚したはいいけれど、僕は親と仲が悪くて、家を出た存在だったのを後から知り、売れない翻訳家が本当だってわかって……大荒れ」
寂しく笑う田辺さん。
「それでも、僕は……彼女が好きだった。小さいけれど家庭を持って、桜が産まれて彼女と桜を幸せにしようと思ったんだけど、彼女は満足しなかった」
田辺さんは頑張ったと思う。
「彼女は、桜が産まれたから、僕が家に帰って親の仕事を手伝うと思っていたらしく、そこでまた食い違う」
私には理解できない人もいるようだ。
「売れない翻訳家は、お金が足りなくて株で儲けていて。そのお金で彼女を満足させていた。彼女は桜の面倒もあまり見ず、友達と遊び歩いて……桜の二歳の誕生日前に……出て行った」
「急に?」
「急に」
田辺さんは、私の言葉を繰り返す。
「桜の面倒は僕がほどんど見てたので、大丈夫と思ったけど、成長するにつれ、やはり笑顔に無理が出てるし、心が不安定な時もあるし……株の残りのお金をつぎ込んで、こちらの家を見つけて、桜の樹に惚れて引っ越しました」
ラストは歯切れよく
田辺さんにも笑顔が見えた。
「僕は、そこの社長の次男なんだ」
サラリと告白されてしまった。
お金持ちのぼんぼんだったのか。
なるほど納得。
どうりでしっかりしてなくて
フワフワと、地に足が着いてないヤツだと思ってたら。
そうだったんだ。
「だから彼女はそれを狙ってた。売れない翻訳家はポーズで、本当は金持ちで贅沢三昧してると思って、僕に近づき……桜を授かった」
玉の輿に
狙われたデキ婚?
「結婚したはいいけれど、僕は親と仲が悪くて、家を出た存在だったのを後から知り、売れない翻訳家が本当だってわかって……大荒れ」
寂しく笑う田辺さん。
「それでも、僕は……彼女が好きだった。小さいけれど家庭を持って、桜が産まれて彼女と桜を幸せにしようと思ったんだけど、彼女は満足しなかった」
田辺さんは頑張ったと思う。
「彼女は、桜が産まれたから、僕が家に帰って親の仕事を手伝うと思っていたらしく、そこでまた食い違う」
私には理解できない人もいるようだ。
「売れない翻訳家は、お金が足りなくて株で儲けていて。そのお金で彼女を満足させていた。彼女は桜の面倒もあまり見ず、友達と遊び歩いて……桜の二歳の誕生日前に……出て行った」
「急に?」
「急に」
田辺さんは、私の言葉を繰り返す。
「桜の面倒は僕がほどんど見てたので、大丈夫と思ったけど、成長するにつれ、やはり笑顔に無理が出てるし、心が不安定な時もあるし……株の残りのお金をつぎ込んで、こちらの家を見つけて、桜の樹に惚れて引っ越しました」
ラストは歯切れよく
田辺さんにも笑顔が見えた。