先生は年下の×××!

秘密基地探そう大作戦!

そして私は、いま、玄関の前に立っています。
寒い……すごい寒い……


ーービュウウウウウ


うっ、風が冷たい。
誰か、誰か暖めてくれないかな……
私の手をぎゅっと、握って。そして抱きしめて。
私を……


「握って……」



ばかみたい、私、こんな1人で呟いて……



「俺が握ってあげるよ」



目の前にイケメンが…!
えっ、でもなんかチャラい!
茶髪だし、カラコンで目もグレー。



雑誌のモデルみたいだけど、どう考えてもこの髪の盛り方はトンカツの供え物についてくるキャベツ!!
キャベツ茶色い!!枯れてる!!キャベツ枯れてる!!



ーーファサッ



「俺が、握ってあげるよ……」


ーーグイッ


わっ、キャベツが顔に近い!
私の鼻にキャベツくっついてる……
水気がない、パサパサだよぉ……



「握ってあげる……マグロ」


ま、マグロ?!
握るって何?!寿司?!!
寿司なの?!!
この枯れキャベツ寿司職人なの?!!
寿司にキャベツ合わないよね?!!



「やめて、ください……」



わたしはこういうしかなかった。
だって、寿司にキャベツだなんて絶対合わないし……
この人とは分かり合えないと思った。
それでも、それでも、わたしはこの人にこう伝えるしか、ない!



「あなたはガリガリだから、寿司職人よりガリ職人の方が似合ってる!!」


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