シークレットプリンセス〜川崎隆弘編〜
「今の曲って…。」
「今のこの曲たちは
みんなありきたりな言葉を並べて作って売れた曲たちだ。
俺の書きたかった曲はなんだったんだろうな?」
隆弘さんは
お茶を飲む。
「どうして…。
自分の好きな曲を書かないのですか?」
私は隆弘さんに聞く。
「自分の書きたいものを書いて
売れなかったら嫌だからだ。
実際に
ありきたりな言葉を並べた曲が俺の出世作だ。
だからだ。」
「そんなの…。
タイミングが合わなかっただけです!
どうして
書かないのですか?
書きたいものを!
どうして挑戦しないのですか?」
私は隆弘さんに
向かってハッキリと言った。
すると
隆弘さんは冷たい瞳で私を見た。