シークレットプリンセス〜川崎隆弘編〜
私は
隆弘さんに呼ばれて隆弘さんの部屋にいた。
「(凄くうまかったよ。
だから明日自信持ってね。)」
「はい。
頑張りますね。」
私は
隆弘さんにガッツポーズを見せると
隆弘さんはフワリと笑う。
「(この曲は
俺の思いが詰まった曲なんだ。
俺はこの曲を描くためにアーティストになったのだと言ってもいいくらい…。)」
隆弘さんが
紙にペンを滑らせ思いを綴っていく。
「(この曲は
1番近くにいた人に届けたかった曲なんだ。
本当はというと俺がこの曲を完璧に歌ってプレゼントしたかったんだけど…。 )」
隆弘さんは
私をじっと見る。
「私が隆弘さんの代わりに
その子に思いを届けますね。」
私は
引きつり笑いになりながらそう答える。
泣きそうだ。
私は
隆弘さんのこと…。
「(鈍感だね。
一応俺の思いを沢山の人に届けるように…。
よろしく。)」
隆弘さんは
私のポケットの中に紙を入れると
部屋を出た。
「(声が出たら…。
俺の思いを聞いて欲しい。)」