悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~


益々不機嫌になるルカと。


ニッコリ笑顔の庵可くんと。


間に挟まれたあたしは、オロオロとふたりの顔を交互に見る。


なんでこんな事になるの?


あたしは項垂れて深く息をはくと、庵可くんが急にあたしの頬にキスをしてきた。


チュッ。と、本当に一瞬。


あたしは目を丸めて庵可くんを見る。


「サラさんは、絶対僕のことを好きになりますよ」


「貴様……」


完全にキレてしまったルカの声が震えている。


「日食の日、本当にキセキが起こったりして」


庵可くんがあたしに向かってウインクをしてきた。


「貴様……殺す……」


庵可くんのキスに驚いて体が動かなかったけど、また魔力を使いそうなルカに気が向く。


あたしはルカの腕を無理矢理引っ張って図書室を出る。


だけどルカの目は、庵可くんを睨みつけたままだった。


「アイツと何をしていた」


図書室を出てすぐ、ルカはあたしを壁に追いやった。


ルカが壁に手をついているので、逃げ場がない。




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