悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~


目を丸めて勢いよく振り返ると、そこにはスーツ姿のルカが立っていた。


「る、ルカっ‼」


思わず声が裏返る。


「恐ろしい顔をして何をしている?」


無表情のルカだけれど、一瞬眉間がピクリと動いた気がした。


ルカのグリーンの瞳に、動揺するあたしが映る。


ルカの動かない瞳に捕まると、易々心を読まれそうで怖くなる。


あたしはヘンリーの件がバレないように、グッと固く口を閉じた。


ルカにバレてしまえば、以前のように監禁されてしまうかもしれないから。


自由に調査する為には、今言っちゃいけないんだ。


何も答えないあたしから目を逸らしたルカは、次はヘンリーに目を向けた。


……あたしの心、早くも読まれた?


必死で隠したつもりなのに、ルカにバレてる?


あたしは、ゴクリとつばを飲み込んだ。


「おまえ、魔界へ着いたら挨拶まわりがあるからな」


「……へ?」




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