悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~


シキのすぐ後ろを歩くあたしに、次々と頭を下げてくる。


あたしもそれに答え、歩きながら小さく頭を下げた。


「ルカ様。皆様の用意が出来ました」


中央ステージの横で最終チェックを行っていたルカの背中に、シキがお辞儀をしながら言う。


タキシード姿のルカがゆっくり振り返り、一番にあたしを見る。


……と、そのままルカの目がカチンと固まった気がした。


瞬きもせず、ずっとあたしを見ている。


……あ、また何か言われる。


きっと、自分に合ったサイズも選べないのか~とか言われるんだ。


あたしは曖昧に笑ってみて、首を捻りながら下を向いた。


ルカは特別あたしには何も言わず、あたしを連れてステージ横の王族席に座った。


また梓達とお別れだ。


あたしはルカの隣に座りながら、目で梓と庵可くんを追う。


ふたりについたのは、ヘンリーだった。





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