悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~
あたし達はシキに案内され、さっきのパーティ会場に向かった。
さっきはまだ準備中だった為慌ただしくみんな走り回っていたけれど、今は全て準備が整い、ゆっくりした時間が流れていた。
約20名ほどのオーケストラの演奏が始まっていて、会場のドアを開けたとたんに、異空間が広がる。
あたしは以前悪魔のパーティ風景を見たことがあるから驚きは半減されてたけど、梓と庵可くんは腕にたった鳥肌をさすっていた。
高級そうなドレスやスーツに身を包んだたくさんの悪魔達。
外見は人間と同じだけど、ここにいる人達はみな悪魔だ。
人間は、あたし達3人のみ。
天井にさがる大きなシャンデリア。
たくさん並べられた円形のテーブルには、ご馳走やワインなどが用意されている。
口をポカンと開けて会場中を見渡していてふたりは、ハッとしたように背筋を伸ばし優雅に歩いていた。
それを見て、ついつい笑ってしまう。
あたし達3人に気づいた悪魔たちが、興味津々な目で見てくる。
前は凍るような冷たい目であたしを見ていたのに、こんなにも変わったんだ。