悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~


「今宵は皆さんで食事を楽しみ、明日明後日と、フェスティバルは1週間ほどを予定しています。どうぞみなさん、楽しい時間を過ごして下さい」


フランさんが声を高らかに言うと、オーケストラの演奏が始まり、悪魔達はグラスを持ち乾杯をし、パーティーが始まった。


梓と庵可くんを見ると、ヘンリーに誘導され壁側のテーブルに並べられた料理を取り、次から次に会話をしにふたりのテーブルを訪れる悪魔達と楽しそうに時間を過ごしている。


あたしはヘンリーの動きに集中したかったけど、”この席“に座っていると、そうはいかない。


王族の席に座っている”人間“だ。


みんなが放っておくわけない。


あたしは席を立ち、ペコペコ頭を下げながら挨拶を繰り返した。


「あなたがサラさんね」


ひとりの女性に話しかけられ、あたしはまた微笑みながら頭を下げる。


「こういう場に慣れていないのでご迷惑をお掛けすることがあると思いますが、大目に見てやってください」


すかさず隣からルカのフォローが入り、あたしはルカを見上げて笑みを作る。




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