悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~
「さ、さぁ……。なんか料理の事を話してたっぽいから、多分、厨房とか?まぁ、はっきりとはわかんないけど。どうして?」
梓が苦笑する。
あたしは曖昧に笑って首を横に振り、梓の腕をクイクイと引っ張ってドアを顎で指した。
「サラ。どうしたの?何かあった?」
廊下に出ると、会場とは違いとても静かな時間が流れていた。
廊下ですれ違う執事やメイドに時々お辞儀をしながら、梓達が控室に使っていた部屋に入り、誰もいないことを確かめた。
「ねぇ、そろそろ教えてくれてもいいでしょ?こんなにコソコソして、絶対何かあったんでしょ」
痺れをきかせた梓が、グイっとあたしの顔を覗き込んでくる。
あたしはドアから離れ、窓際に梓を連れ行く。
そして、また部屋中を見回しあたし達ふたりしかこの部屋にいないことを確認する。
念には念をってやつだ。
「梓、よく聞いてね」
あたしは声のトーンを限界まで落とし、ゴクリとつばを飲み込む。
梓も真剣に、細かく頷いた。