悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~


今まで危険だからと部屋に集められていた残りの4人は解放され、城の中も通常通りの雰囲気に戻っていた。


梓、どこにいるの?


ヘンリーは、梓と入れ替わったのはフェスティバルの初日だと言っていた。


あたしが梓を誰もいない部屋に連れて行って、ヘンリーの件を伝えた時には、もう既に、梓は梓ではなかったんだ。


ってことは、あの部屋のどこかにいる?


あたし達は、可能性のある場所を全て探していったけど、どこにも梓の姿はなかった。


みんなで手分けして探したけど、一向に見つからない……。


「サラ、他に思い当たる場所はないのか?」


ずっと探しっぱなしのみんなの表情は疲れで険しくなっている。


廊下に集合し、ルカに聞かれ、あたしはただ力なく首を横に振る。


思い当たるところは全て探したもん……。


あたしは、この城の全てを把握してるわけじゃない。


広すぎるから……。


だけど、行ったこともない部屋にいるとは思えなくて……。


あたしが頭を抱えた、その時だった……。




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