溶ける温度 - Rebirth -

*

真さんが淡々と作った甘めのカクテルをおいて、ひとまず場が落ち着きを取り戻したところで。
強烈な初対面を見せてくれた彼女と、ようやく目線があった。


「…あら。こんばんは。初めましてかしら?」

「はい。…従業員の神田です。いらっしゃいませ」


今までも私普通にいたんだけど…、と言いたくなったが、悪びれもなくケロッとした顔を見たら何も言えなくなった。

遅ればせながらの挨拶を済まし、ぺこりと会釈をする。彼女の目線はじーっと引き続き私を見つめ続けていた。
私この短期間で何かしたっけ…。気まずい。非常に気まずい。

でもなんだかこの瞳、視線を離せない魔力をもっているような…。


「…こちらこそ初めまして。辻美麗と申します」


彼女、美麗さんは、私から視線を漸く外して私と同じようにぺこりとお辞儀をした。

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