溶ける温度 - Rebirth -
「ふふっ。それにしても、すっかりマスターじゃないの。真様さらに素敵になってるわ!」
「…褒められありがたいけど、お前、フランス行って感情表現さらに悪化してないか?」
「悪化じゃなくて開花よ、開花!」
本当に真さんが大好きでたまらないと言ったオーラを出している美麗さんは、贔屓目なしに見ても相当可愛い。
私はおしゃべりを楽しむ二人を余所目に、少し離れた壁に身をゆだねていた。
真さんと美麗さんの間に流れる雰囲気は、よそ者の私が入れるものでは全くなくて。
もちろん、アヴァンシィには常連さんも多くいるから、真さんを奪われることは少なくないんだけれど———…
って。奪われるって、何、考えてるの私。
よぎったおかしな感情を頭をふって、なんとかもみ消した。
「退屈?」