溶ける温度 - Rebirth -

真さんが注いだミネラルウォーターを片手に、大志さんは壁にもたれていた私の隣にそっと寄り添った。
少し先では真さんと美麗さんが談笑している姿見えて。大志さんと二人きりではないのに、やはり先程の緊張が体中を走る。


「い、いえ。すごく可愛らしい方ですね、妹さん」

「ああいう一直線なところ昔からでさ。特に真にはひどいね」


話を聞くと、大志さんとフランスへ渡るときも、最後の最後まで真さんと離れることを渋っていたのだとか。


「初対面ですけど、見てるだけで、真さんが好きなんだなってわかります」

「兄の俺からしたら可愛い妹だけど。真にあそこまで懐いていると、それはそれで複雑だな」


自他ともに認めるブラコンであると言っていたから、家族という枠で懐かれていた大志さんも、兄離れする妹に寂しく思ったりするようだ。


「大志さんも、妹さんに負けず劣らずシスコンなのでは?」

「いうね」


どっちもどっちってことかな、そういって頭を掻いた大志さんに、笑ってしまった。

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