溶ける温度 - Rebirth -

おろしたてのパンプスを地面に響かせながら、ゆっくりと帰路を歩く。
考えてしまうのは、やはりこれから私はどうしたらいいのだろうということばかりだった。

美弥と話して心は随分と軽くなったけれど、私はまだ結論を出せないままでいる。

連絡してしまったらいいのか。
あれは社交辞令として流すべき誘いだったのか。

ふぅ、と息を吐くと案の定白い息がため息とともに流れおちる。

そのとき、ふいに私の鞄が震えだした。
電話だ。誰からだろう。

ディスプレイを見るとを見ると、思いもがけない名前が表示されていた。

< 74 / 162 >

この作品をシェア

pagetop