溶ける温度 - Rebirth -
昨晩いきなり電話があった。
いつもはこんな夜中だとメールなことが多くて電話なんしてこないのに。
どうしたんだろうと思う反面、夜中だけれど私のことを考えて電話を掛けてくれたことに少なからず嬉しさをにじませていた。今思えばなんて浅はかな私の考え。
『明季、………俺たち、別れないか』
その言葉の意味が理解できなかった。
耳から聞こえてきた音に、私の体が勝手に拒否反応をおこしたかのようで。
ついていかない思考、回らない口。混乱した頭からはただ、空気のような声が漏れた。