隣の悪魔はご機嫌ナナメ



「俺がとりあわないから。会えないから。さみしくなっちゃったのか?」



まるで小さな子どもをあやすときのように
優しく言う、青久。



ーーーーなに、それ。



あたしはギュッとはいていたスカートを握りしめる。



そんなんじゃ、ないのに。



「言わないとわからないだろ、はる」



怒りたいのに。思いをぶつけたいのに。



青久の声で名前を呼ばれたら。
なんでもすぐに許してしまう。


ああ、あたしは本当に青久が好きなんだ。



ーーー敵わない。




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