隣の悪魔はご機嫌ナナメ



「……はよ」



いつものように、教室に入ってきた青久があたしに話しかけてくる。



久しぶりに会ったとか、そんなことはなにも感じさせない雰囲気で。



「……おはよう」



ちょっと緊張しながら、あたしも返す。



そんなあたしを見る青久に
笑顔はないけど、それが青久らしい。



青久がくぎを刺したことで


ふたりでいることにまわりのみんなは
なにも言わなくなったから、
こうして教室では一緒にいられるし



あれからなにも起こっていない。


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