煙の彼女

僕は、相変わらずの彼女の話しぶりに笑う。


しかし、彼女の少しブルーがかった目を見ると申し訳なさそうだった。


「大丈夫だよ。たまには泣くよ。だけど、何とかやってるし忘れないし……」


僕は話していて不覚にも涙が出た。


「泣かないでとは思わない。だけど苦しまないでね。

尚ちゃんがしてくれた事は私にとっては正しい事だったの。

肝心なのは私にとって正しい事だったって事よ。

道徳的とかそういうのは、関係ないでしょう。
そういう事を言う人が居たらね中指立ててファックユーよ。

ロックンロールが教えてくれた事は世間的な道徳じゃないよね。」


僕は笑いながら頷く。


その通りだと思う。


彼女は段々薄くなっているのに気付き僕は新しく煙草火をつけようとしたが、彼女が止めた。


「ダメよ尚ちゃん。今日はダメよ尚ちゃん多いね。もう時間よ。

泣いてくれてありがとう。これからも時々で良いから思い出して。
無理にとは言わないから。
ロール夫で良いね。

それと、自分自身納得行かないなら中指立ててファックユーよ。」
< 4 / 5 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop