黄昏時に恋をして
運命のレース
 中山競馬場の最終レース。一枠一番だから千二百メートルは有利。大夢くんが担当した馬は、パドックでは落ち着いていた。鞍上は、大夢くんがお願いをして熊谷さんに任すこととなった。
 ゲートインもスムーズに済み、各馬一斉にスタートを切った。端に行きたがる馬をなんとか抑えて二番手をキープ。そのまま最後の直線へ。熊谷さんの鞭がとぶ。待っていました! と言わんばかりにグングンと進み、先を行く馬を捉え、あっと言う間に先頭に立つ。その後は、他を寄せ付けず、ゴール板を駆け抜けた。
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