バンドマンの お、ん、な。


バスが来るなりもちろん坂本は隣に座る。本当はバスの中でこの前買った「将来お金持ちになる女」って本。

読みたかったのに。なんて心の中でつぶやいた。

窓の外を見ながら適当なペースで坂本の話に相槌を打つ。
ロボットのように、いや、むしろ最先端のロボットのほうがちゃんと会話をするのではないだろうか。


高校生など恋愛対象ではない。モットーは内定の決まった大学生と付き合ってゴールインすることだ。

目を閉じながら毎日そんな妄想を広げる。人脈ない癖に。そんな女だから高校二年生になった今彼氏がいないのだ。

と、

親戚のおじちゃんが言っていた。余計なお世話だ、バーカ。








< 2 / 3 >

この作品をシェア

pagetop