齧り付いて、内出血

「おい頼、どうし…はあ?」


泥棒、ではなくて凄い剣幕で入ってきた久世は私たちを見るなり物凄く驚いた顔をした。

あの久世が顔にでるってことは尋常じゃなく驚いてる。


「なんでお前がここに、いる?」

「ヨリが連呼してた‘クゼ’ってやっぱり久世さんだったのか。」

『知り合い!?』


三者三様、とにかく驚いている。


「ああ、こいつはうちの常連だ。」


弁護士事務所の…常連。

やっぱりまともじゃない。


「お前まさかとは思うが、」

「今日はヒステリー起こした女にバッグで頭殴られて軽く失神してたところをヨリが拾ってくれたんだ。」

『だからあの怪我であんなところに倒れこんでたわけ。』


いや、そこは微笑むところではないのでは…?

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