齧り付いて、内出血

「俺の言うことはそんなに信じられないか。」


『だって久世って、表情がいつもあんまり変わらないから!』


「それはお互いさま。頼だって十分ポーカーフェイスだ。」


『ふんっ。』


「そういうところも好きなんだから、むくれるな。」


『私、久世の顔が好きだよ。』


「こら。そういうこというやつには酷くしてやる。」



その日、久世は今までで一番深い絶頂に私を導いてくれた。








事が終わった後で私に腕枕をしながら久世は言った。


気が強い所が好きだ、と

夢に向かって努力する姿勢が好きだ、と

何でもひとりでやろうとする気概が好きだ、と

でも俺には頼っていいんだぞ、と

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