齧り付いて、内出血
「‘久世さん’ねえ。」
低く、形容しがたい色気を含んだ声音で、呟くようにそう言った。
口元にニヤリとニヒルな笑みを浮かべて、長い指で私の顎を掬い上げた。
『っ!…やめてください。』
なるべく声を押さえつけて、努めてフラットに返したのに、彼はおかしそうにクスクスと笑っている。
「秘密の関係、って言うの?いいな、こういうのも燃える。」
『楽しんでいただけてるようでなによりです。とにかく離れてください。』
「燃えるけど、でも今は、ここには俺たちしかいねえんだぞ。なあ、頼――?」
ああもう、だから嫌だ。
ギロリ、と睨みつけてやっても余裕な笑みでするりと交わされてしまう。
この人には――久世修悟というオトコには、何年経っても敵わない。