リミットボイス
鈴原水樹がそう言うと、相手の周りに青の魔方陣みたいなものが現れた。相手が悲鳴を上げる。

「文月、今だ、早く!!」

「うんっ...」

私は本来のトーンに向かって手をかざした。鈴原水樹が私の背中に手を当てる。

「我がトーンよ、クロマーゼ、文月詩歌に力を渡せ」

その瞬間、まばゆい光が私の手のひらから放たれた。光は相手の本来のトーンに直撃した。

真っ黒なトーンが煙みたいに消えていく。相手は倒れた。

「...死んだの?」

「気絶しただけだよ」

鈴原水樹がその子を担いだ。

「もう大丈夫だから、帰っていいよ。ありがとう」

「えっ、あ...」

鈴原水樹は再び校内に消えていった。私はしばらくそこに立ち尽くしていた。



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