苦恋症候群
俺と雪妃の年の差は3歳。彼女は当時中学3年生だったけれど、やわらかで落ち着いた声音は、実年齢よりもずっと大人っぽく思えた。
……この人が、俺の姉になるんだ。
そう思うとドキドキして、いつもよりうまく話せない。
けれども彼女はそんな俺の戸惑いも吹き飛ばすように、決して馴れ馴れしすぎず、かといって他人行儀ではない距離感で気さくに接してくれて。
そんな雪妃に、俺はすぐに打ち解けた。
ロビーでの挨拶後、レストランで食事をしているときも、俺たちはまるでずっと知り合いだったみたいに仲良く談笑していた。
この日初めて会ったはずの父さんとも、雪妃は物怖じせず話していたから……きっとこれも、彼女のある種の才能なんだと思う。
「なんだかもうすっかり、雪妃ちゃんと遥はきょうだいだなあ」
「ほんと。今日が初対面だと思えないわ」
ニコニコ笑顔の、どことなくうれしそうな大人たちの言葉を聞いて、俺たちは顔を見合わせた。
「あたし、遥くんみたいな弟ができるの、すごくうれしいな」
「俺も、雪妃ちゃんがお姉ちゃんになるのうれしい!」
お互いにそう言って、笑い合う。
そして、この日から約2ヶ月後。俺たちは正式に、“家族”になった。
……この人が、俺の姉になるんだ。
そう思うとドキドキして、いつもよりうまく話せない。
けれども彼女はそんな俺の戸惑いも吹き飛ばすように、決して馴れ馴れしすぎず、かといって他人行儀ではない距離感で気さくに接してくれて。
そんな雪妃に、俺はすぐに打ち解けた。
ロビーでの挨拶後、レストランで食事をしているときも、俺たちはまるでずっと知り合いだったみたいに仲良く談笑していた。
この日初めて会ったはずの父さんとも、雪妃は物怖じせず話していたから……きっとこれも、彼女のある種の才能なんだと思う。
「なんだかもうすっかり、雪妃ちゃんと遥はきょうだいだなあ」
「ほんと。今日が初対面だと思えないわ」
ニコニコ笑顔の、どことなくうれしそうな大人たちの言葉を聞いて、俺たちは顔を見合わせた。
「あたし、遥くんみたいな弟ができるの、すごくうれしいな」
「俺も、雪妃ちゃんがお姉ちゃんになるのうれしい!」
お互いにそう言って、笑い合う。
そして、この日から約2ヶ月後。俺たちは正式に、“家族”になった。