苦恋症候群
目の前でそ知らぬ顔でお酒を飲んでる三木くんも、余計なことは言わないし、聞かないでくれてる。

それが、心地よかった。


……今日、三木くんに会えてよかったかも。

彼にとっては、とんだ災難だったかもしれないけど。それでも私は、救われた。

よく冷えたお水をひとくち飲んでから、コン、とそのグラスを元気よくテーブルに置く。



「三木くん、ここは私がおごるから、じゃんじゃん飲んで!」

「……急にテンション上げないでくださいよ。対応できません」

「さあさあ、次は何飲む?! 私もなんか頼もーっと! 今まで飲んだアルコール目から流れちゃったし!」

「そんなグロイことありますか」



呆れたようにそう言うけど、口もとは小さく笑ってくれてる。

それがうれしくて、私もまた、笑った。
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