あなたに出会えて....
「ふんっ」
「あん?今鼻で笑ったな?」
「ぐわっ」
私の回し蹴りにより、襖ごと庭へすっ飛んで行った錦。
その後、大人しくなった錦と縁側に並んで座った。
「錦......私に会えて.........良かった?」
「ん?どうした急に。」
「ちょっとね...気になった......。私は....女の子らしくないし....錦達には悪戯ばかりしてるじゃない?」
「そうだな....俺はお前みたいなお転婆娘は今まで見たことがない。」
「へ、へえ?」
眉がヒクヒクと引き攣るのが分かった。
「お前に........琴音と舞姫に出会えて…良かった。」
「っ!?」
「ハハッ、何驚いてんだよ。お前等には沢山迷惑をかけられた。だが、嫌じゃなかった。むしろ毎日どんな悪戯を仕掛けられるのかを楽しみにしていたくらいだな。」
「錦って…M?」
「…えむ?」
「あ、なんでもない。」
「まぁ、兎に角俺はお前に会えて良かったということだ!」
「そっか........良かった。じゃあ、私はヒラメんとこ行ってくるね!錦また明日〜!」
「琴音、俺はお前にだったら........斬られてもいいかなと思っている。」
それだけ言うと錦は自室へ戻ってしまった。
私はこの時、まさか錦と最後の会話になるなんて思いもしなかったんだ................。