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やっと女子から逃げて静かなところに行く

「やっぱり静かなのは屋上かなっ」



重い扉を開けるとそこには

彼女がいた




「あ…」


静かなせいか、それとも教室が暗かったせいか、


すごく、


すごく明るく見えた



「なにしにきたの?」


透き通るその声で彼女はぶっきらぼうに言う



「あ…僕…その。女の子が苦手って言うか…」

そう言うと彼女は振り向いて

ボブカットのサラサラな髪がすこし靡く

「じゃ...私のことも苦手?」

何気ない、すごく何気ない仕草のその首をかしげる行為がすごくドキッときた。



「僕は君のことは苦手じゃない気がする」


「私の名前は葛城 めいこ 」



「めいこさんか。僕は生原 らいき。」



「めいこでいいよっ。らいきくんねっ。」

ぶっきらぼうにたんたんと喋る彼女はどこか可愛さがあった



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