パパは幼なじみ
あの日の徹くんの話は、長かったけど、聞き入ってしまった。

 
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「じゃあ理由教えて。」
「くだらないかもしれないけど…」

オレンジジュースを一口飲むと、徹くんは口ごもりながらも話し始めた。

「僕と明正とありさは幼稚園時代からの幼なじ みっていうのはもう知ってるよね?あの頃は明 正ともすごく仲が良かった。でも僕は…僕は明正を傷つけた。」
「傷つけた…?」
「この話は、ありさには言わないでほしい」
「わ、分かった」

確認をした後、徹くんはまた口を開いた。

「小学校にあがる前の年の冬のことなんだ。僕たちは3人で、近所の公園で雪遊びしてた。その年は、少しだけど珍しく雪が積もってさ。すごくはしゃいでた。」


 ───────────────────
 「雪だるまとか作れねぇかな~?」
 「無理だよ、明正。だって雪、少ないもん」
 「あっき、とおるん!雪うさぎなら作れる   かもよ~!」
 「お!作ろうぜ!」
 「待ってて~!」
 
 明正に賛成されて、ありさは嬉しそうに材
 料を探しにいった。僕たちはその様子をベ
 ンチに座って見てた。その時、明正が唐突
 に言った。

 「俺さ、お前たちと同じ小学校には行けな   い。父ちゃんの仕事で大阪に行くんだ。」
 「えっ…そんな、急に…」

 びっくりした。ずっと3人一緒だと思って
 たから。でも、次の言葉にもっと驚いた。

 「だからその前に、ありさに好きって言う   んだ。」
 「……えっ!?明正、ありさちゃんのこと…」
 「へへっ、ずっと好きだったんだ。徹のこ
  とも好きだけど、その好きとは違うんだ」

 明正は少し照れながら話した。

 「大阪行くけどさ、必ず戻ってくる。それ
  までありさには待っててほしいから、好   きって言うんだ。」
 「いつ…言うの?」
 「引っ越す日。だからまだだ!」
 「ねぇ~!いい葉っぱあった~!!」

 ありさが戻ってきて、その話は一旦終わっ  た。
 ───────────────────
< 88 / 128 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop