嘘の愛を口にする【完】
「マーマ…」
小さな穏やかな声であたしの事を呼ぶ陸
「なぁに?」
悩んでいることを表に出さないで、陸の方へ体を向ける
「マーマ、かなしいの?」
「え?」
「マーマ…なきそうなお顔してるから」
この子は何故変なところで感が鋭いのだろうか
本当
陸には負けちゃうな
「大丈夫だよ!ほら!ママ元気だから!」
「なきたぃときは、ないてね!陸、マーマよしよしする!」
可愛いなぁ
陸の言葉一つ一つが心に響く
とてもいい子
「陸、産まれて来てくれてありがとうね」
あたしは陸の頭を撫でながら言うと
陸はそのままあたしに抱きついてきた。
この子だけは
幸せにしてあげたい
不幸な人生になんてさせない
陸__
あなただけは守るからね
それが今のあたしの1番の誓いだった。