小さな死神
「逢う?俺と?どうして?つかがっこは?」
「事件で学校休みになったぁ~!で、暇だし。」
田舎の学校だし、休校は仕方ないか。しかし・・・さえこ、どうしちゃったんだろ?・・・俺があんまりかっこいいから惚れられちゃったの?しかし、淫行とか援交とかになるよなぁ~(←何考えてんだろ?こいつは)
「いいけど、つかなんか食うか?」
「やったぁ!焼肉食べたぁ~い!」
昼から焼肉かよ?おいおい・・・ま、しかたねぇ~か・・・
「おう!どこ行けばいい?」


さえこんちの近くらしいコンビニ。ヴェスパは完全に入り口左側を塞いで駐車中。
不届きな考えを胸に秘めて、入り口でにやにや。まだ黒い服だし。



店内からは、コンビニの店長が怪しい黒服の男を監視していた。近くで殺人事件があったばかりだし、近所の噂では黒尽くめの男がむちゃ怪しいと・・・。ストーカーらしい。それがうちの店の前にいる。店長は近くの交番直通の防犯ブザーのスイッチに左手を掛け、右手にはカラーボールをしっかり握っていた。

「あんたさぁ~馬っ鹿じゃ無いの?なんでまだ黒い服なんだよ!」
「だから着る服が無いんだって。」
「警察呼ばれるよ。」
店長はいつも来る女子高生が気軽に話してるのを見て、更に不信感を強めた。しかし、あの子は援交するタイプじゃないしなぁ~。萌え系では全然全く無い(きっぱり)。コンビニで値切る子はあの子ぐらいだし。しっかり者って言うよりちゃっかりもん・・・じゃ黒服も大丈夫なのかな?
カラーボールを箱に戻して顔を上げると、二人の姿は既に消えていた。
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