小さな死神

対決

由香の家の近く。
マスコミは減ってるがまだ数組張り付いている。・・・相変わらずしつこいなぁ・・・。よっぽどニュースが無いのか?
「どうする?」
「あんたさぁ、珠には自分で考えなよ!」
と、さえこは答えたが、由香はずっと押し黙ったまま。
「考えるのは苦手だよ。」
「そんなんだから中途半端なんだよ!」
さえこは変わらず言葉がきつい。
「じゃ当たって砕けるか。」
「どういう事?ちょっと待ってよ!」
津上はそれには答えずにさっさと歩き出した。二人の手を握って・・・。
つか柔らかいなぁ~。最後に女の子の手を握ったのはいつだったっけ?
確か、中学の体育の時間にマイムマイム踊ったのが最後だった。はぁ~寂しい人生。
などと不届きな考えを巡らしている津上は、由香の手が強く握り返してくるのを感じて我に返った。

「今度は正面から堂々と行くぞ。」
由香の手は震えている。
マスコミはたった4人しかいない。チャンスだ。
3人が近づくと気の強そうな女が声を掛けてきた。
「あんたたち?この家に用があるの?」
津上はそんな質問は無視して確固たる足取りだ。
再び口を開けた女。
「この家の人?」
全くうるさい女だ!
完全に無視。周りをとり囲もうとしたが津上の勢いの方が早かった。
「ちょっとまってぇ!」
しかし玄関先に走りこんだ3人は由香の持っていた鍵で素早く玄関を開けた。
それから、由香を引きずり中へなだれ込んだ。
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