小さな死神

死神

帰るの遅い!ぐずぐずしてないで早くご飯を作れ!」
3人を出迎えたのは、冷たい目をした小さな女の子だった。しかしその幼く美しい顔立ちからは想像も出来ない言葉だった。由香はさっと立ち上がり
「はい。少し待ってください。」
「由香!ちょっと待って。あんたは姉なのよ。」
さえこの声に由香以外に人がいる事に初めて気付いた様子だった。
「あなたたちは誰?」
さっきの冷たい声とは正反対の弱弱しい声。取って付けた様な。
「あたしは由香の友達だよ。あなたと話がしたいから来たの。」
「あなたと話なんかしたくないよ。」
そう言って姉の由香を睨み付けた。
「どうして他人を家に入れたの!あなたは早く食事の支度をして。」
「ごっごめんなさい。」
由香は慌ててキッチンへ向かった。
「きゃー!!!」
由香の悲鳴が響き渡る。
さえこはキッチンへ。
そこで見たものは・・・
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