小さな死神
「さえこが木戸さんの娘とはなぁ~。真面目にびっくりしたよ。」
「知られたくなかったけど、仕方ないか。」
「将来は警官になるんだろ?」
「あたし?冗談!
あたしは探偵になるんだ!」
そう言ったさえこが少し大人っぽく見えてきた。

警察はかなり大掛かりに捜査していたが、加奈の行方は分からなかった。
引きこもりで友達も知り合いもないから、警察はさがしあぐねていた。

「津上ちゃん、あの子は今頃どこにいるのかなぁ?」
津上の事務所。あれから2週間が過ぎようとしていた。最近はさえこと由香が入り浸ってる。
「俺にわかる訳ないだろ?加奈が最後に言ってた女ってやっぱり石原優子だったんだろうな?」
「きっとあの人だよね?今は行方知れず。二人ともどこへ行ったのかな?」
「妹は、きっとネットの友達のとこ。」
「ネット???そのこと警察に言った?ログ調べればわかるかも!」
「言ったけど、だれも本気で聞いてくれなかった。・・・。」
「自殺したのかもよ。」
「それは無いって思うよ。そういうタイプじゃないもの。」
さえこはきっぱり。
「あたしもそう思う。」
「その内見つかるさ。」
津上はもう見つからないって思っていた。
なんとなくそう思えた。
加奈は自分の年齢が13歳未満で罪に問われない事を意識してやったのだろうか?
そうは思いたくない。
ほんとに意識してなかったのか?
ほんとにそうなんだろうか?

           終わり
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