小さな死神

殺人事件

山田!起きろ!もう8時だぞ!」
あ!寝過ごしたぁ!
目覚めたら見知らぬ男どもが俺のベッドの周りに・・・
「ふわぁ~・・・あんたら・・・なんなん?・・・それと俺は津上だ。」
「津上?そういやoffice津上とかなんとか入り口に書いてあったなぁ・・・こっちは警察だよ。」
「計算?俺・・・苦手なんだけど・・・おやすみぃ。」
「おおおっと、寝るな!ちょっと話を聞かせろ!」
「だから、計算は苦手なんだよ。それに命令されるのはやだぁ。」
「ぼけは漫才だけでいい。つか引っ張るぞ!」
「引っ張る?なんなん?」
少し頭がすっきりしてきた。


「警察だよ。シカトしてもいいけど、後で泣くことになるなぁ。」
聞き覚えのある声で正気に返る。
「あら?おっちゃん。木戸のおっちゃんじゃないの?なんかあった?」
見覚えのある刑事が目の前に。痩せちまった泉谷しげるみたいな。
「なんかじゃねーよ。お前、最近、浮気調査してただろ?」
昨日の事が思い出された。・・・まさかあの子に訴えられた訳じゃないだろ?変な事してないよ。・・・胸が背中に当たっても訴えられないよな?普通・・・
「やってますよ。仕事だし。それが何か?」
「今の調査対象はだれだ?」
「今は・・・てか、それを言える訳ないだろ。守秘義務ってのがあるし。」
「じゃ、署で聞くことになるなぁ~。参考人として。」
「参考人?・・・なんかあった?」
「ああ、あった。あの細君さ、仏になっちまった。」
「ほとけ?・・・死んだ?」
「そうだよ。詳しくは話せないが、殺しだよ。ここんとこ毎日張り付いてた様だけど、会ってた奴の事とか話しちゃくれないかなぁ?」
「張り付いてたって何で知ってるんだよ。調査内容は・・・守秘義務があるしなぁ・・・」
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