幼なじみと秘密の時間
「オレのことで何か言われたりしたら
絶対言えよ」

「うん」

「あとさ」

「何?」

「朝、教室で男に誘われてたじゃん」

和弥の真剣な話し方に、ビックリした。


「あれ、マジウザくて。
でもオレが行ったら、お前ただの幼なじみだろ?
って言われるじゃん」

「うん」

「それで、助けたいのに助けてやれないし
イライラするし、何て言えばいいか
わかんなかった」


朝の睨みと視線は、そう言うことだったんだ。
私に怒ってるのかと思ったけど。

「舞にも言われた」

「何を?」

「中学の頃は、和弥が後ろにいるから
みんな誘えなかったって。
でも高校は、そうは行かないって」

「だよなぁ」

ため息をついた和弥が、私を見て優しく微笑む。
そのまま2人で笑ってしまい、
少しして、和弥がニヤっとしながら
私に近付いてきた。
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