~D*A doll~
咲哉side*
咲哉side*
目の前でゆっくりと倒れていく莉々香…。
「莉々香…!」
そして、ドサッとベッドに倒れこんだ。
咄嗟に駆け寄ろうとしたけれど……出来なかった。
さっきの莉々香と毒牙の総長とのキスが一瞬頭をよぎったから。
毒牙の総長に頬にキスをされている姿がよみがえって来たから。
俺が固まっている間に、龍翔と瑞希が駆け寄る。
そんな光景を…ただ見つめることしか出来ない。
「おい!お前!莉々香をどうやって気ぃ失わさせた!?」
龍翔が毒牙の総長に向かって叫ぶ。
「薬を嗅がせて…。って、莉々香…どうしたの!?」
毒牙の総長も莉々香の異変に気付いたようで、慌てて駆け寄る。
「チッ…。薬がまだ抜けてねぇのか…。」
「って、龍翔!莉々香ちゃんの腕、凄い痣だよ!!」
「……は?なんだこれ?」
「ちょっと、僕…無意識で強くやっちゃった?」
「は?莉々香に何してんの?……お前、一発ぶん殴らさせろ。散々さっきも人に見せつけておいて。ふざけんな。」
「龍翔、僕も賛成。僕も殴りたい。こんな手形付けちゃって…?莉々香ちゃんにキスなんかしちゃって?」
「……ゴメン。手形の件は悪気はなかったんだけど…。ちょっと歪んだ顔が可愛かったから、ついつい。まぁ、キスとかは…お互い同意の上でヤッてるから…って最後までヤッてないからね!?」
「お前、死ね。クソだろ?マジでボコる。」
「僕も同意。許せない。」
「……本当に申し訳ない…。まぁ、美奈が手当てしてたから直ぐに良くなるよ…。手の痣は。」
「…は?何言ってんの?お前、莉々香に何しようとしたんだよ?」
「………何って……。普通にセック……ってイタ!!!」
「マジ死ね。消えて星屑になってさらに消えてしまえ。」
「龍翔…本当そうだよね。こいつはゴミ以下の価値もないよ。ゴミが可哀想。」
「キ、キミたち…酷い…。2人して本気で叩くことないのに…。莉々香と同意の上で、ヤろうとしたことなんだから……。てか、莉々香から誘ってきたんだけど?僕、襲われそうになった……ゴホッ!!」
「お前、もう喋るな。消えろ。俺の前に一生現れんな。」
「うん。次喋ったら龍翔の蹴りが飛ぶからね!?今の僕の蹴りより遥かに痛いよ。」
「お、お腹が……。し、死ぬ……。」
「「死ね。」」
「ぼ、ぼくだって…。美奈の恨みを晴らさなきゃって自棄になってただけで本当に悪気があったわけじゃ…。てか、そもそもキミたちだって美姫とヤったんだろ?だからこんな莉々香を巻き込んでまで大袈裟な話になったわけで…。わざわざ毒牙まで作って。僕の苦労分かる!?」
「開き直んな。クズが」
「さっきまでは女の人と感動的に抱き合ってたのに…。何で下ネタばっかり吐いてるの?本当に死ねばいいと思うよぉー。それに勝手に莉々香ちゃんを巻き込んだのって僕らじゃないし。あんたが拉致ったんでしょ?てか今喋ったよね?よし、龍翔。よろしく。」
「瑞希…。言われなくても。」
「ちょ、ちょっと待とうか…!!冷静に話し合えばきっと分かってくれるよ!………っタ!」