~D*A doll~
でもあの時はみんな外に出ていて。
しかも俺は莉々香ちゃんのもしもの為にわざわざ残されていたわけで。
下の面子に助けを求めるわけにもいかず。
途方に暮れた俺は龍翔みたいに彼女を抱きしめた。
それがあの時の賢明な判断だったかなんて何もわからない。
でも軽く抱きしめただけだったけど彼女があまりにも儚くて。
どこかに消えて行ってしまいそうで。
しかも切なげに漏らされた声を聞いて、思わず強く抱きしめてしまった。
これ以上抱きしめれば簡単に折れてしまいそうで、でも緩めたらダメな気がして。
その時だけは彼女のことが嫌いだ、とか顔も見たくない、とか何も考えずに彼女を抱きしめていた。
「…………はぁ」
自分が、分からない。
「……諷都、どうしたんですか」
雅に声を掛けられ、自分がため息を無意識のうちに吐いていたことに気づく。