~D*A doll~
……まぁ、とにかく今は目の前の期末だ。大学のことなんて考えている時間はない。
ちらりと壁にかかっている時計を見ると、6時30分だった。
龍翔たちがここを出たのが4時30分。
もうそろそろ帰ってこないかな。諷都くん、見るからに頭がよさそうだから教えてもらいたいんだけど……。
と、タイミングよく。
「おつかれっす!」
下から下っ端君たちの勢いのいい声が聞こえた。
「らっきー!」
思わず立ち上がってしまう。
「あ、みんな帰ってきたんだねぇ」
手元の参考書から一度だけ視線を上げた瑞樹は、すぐにまた参考書へと視線を戻した。真面目か。