~D*A doll~






「まぁ、とにかくここを移動しようか…?周りもうるさくなってきたことだし。」






確かにたくさんの野次馬…って言うか身の程知らずの女が集まってきている。






「だから俺は女なんか嫌いなんだよ」






「遼、それは俺も同感だけど…。莉々香ちゃんは違うと信じたいよ」







諷都は爽やかに言っているが、その言葉が本心かどうかは分からない。







「は?あいつが一番無いだろ?今瑞希が持ってる携帯も…男からの連絡で鳴りっぱなし。うるせー」





瑞希、切ろよ。と遼は僕に言うがロックが掛かっていて何もできない。






……あ、電源を切ればいいのか。







でももうめんどくさ。






「とにかく、今すぐ倉庫に行くよ。龍翔が待ちくたびれてかんかんだったら怖いからね」






諷都はそう言って、僕たちにこれ以上何も言わせない雰囲気で歩き始めた。






…諷都達はまだ気が付いていない。






先ほど見せた莉々香ちゃんの無表情の意味を。






僕たちに失望しているという事を。






莉々香ちゃんは他の女と同じ扱いすらしてはいけないという事も___気づいていない。







そして僕も、彼女の自分が切りつけた傷に気づいていなかった____。







瑞希side end*








< 98 / 359 >

この作品をシェア

pagetop