氷の執事をsweetlyに溶かして






私は、桜川くるり。18歳。


桜川家は、昔からある由緒正しき名家の1つで私はそこの1人娘なの。


お父さんとお母さんは、仕事が忙しくて私が幼い頃から家にいることは殆どなかったのだけれど、寂しいと感じたことはあまりない。



それは、碧が側にいてくれたから。




「くるりお嬢さま。こちらにいらっしゃったのですか?」


パチンと電気のつく音が心地の良いテノールの響きとともに聞こえた。


碧が室内に入ってきて、私が隠れている窓のカーテンをシャーと開けたのだ。



───もう見つかってしまった。




「あーぁ、残念。今日はいつもより上手く隠れられたと思ったのに。」





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