氷の執事をsweetlyに溶かして





私が舌を出しながらおどけたように言うと、碧に深いため息をつかれてしまった。




「…あまり、手を煩わせないで下さいね。」


「へへ、ごめんごめん。で、なんで私がここに隠れているって分かったの?」


「月明かりに反射して、カーテンにくるり様のシルエットがくっきりと映っていたので。」



そう淡々と告げた碧は私の執事。

23歳にして、すごく優秀なの。

両親からも信頼は厚く、あの2人はいつも碧に家の事や私の事を任せきり。


「さあ、お勉強の時間ですよ。」


「いやだ。やりたくない。」


「わがまま言わないで下さいね。」



期待に応えようとしているのか碧は私を厳しく指導する。


大好きな人なのに、ちっとも甘いムードになんてなりやしない。




< 2 / 17 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop