イケメン王子の花メイド
「もうっ、花ちゃん嫌いっ!なんでそんなこと言うのよぉ!」
え。
え?茜さん?
ぶわあっと茜さんの目には涙が溢れる。
「せっかく恋したのに、そんな悲しいこと言わないでよぉ〜!……メイドだからって、そんなこと言わないでよぉ……」
うぅっと口を歪ませて私を見つめる茜さん。
その瞳からはポロポロと涙が止めどなく零れ落ちてくる。
「茜さん…」
「私は花ちゃんと恋愛の話とかしたいもんっ。横山さんのことだって聞いて欲しいもんっ。花ちゃんに……悲しい顔して欲しくないもんん〜っ」
うわぁぁと声を上げて泣き出す茜さん。
なんて、可愛らしい人なんだろうか。
私は泣きながら、ぎゅっと茜さんを抱き締めた。