イケメン王子の花メイド
「っ…茜さん大好きです…」
「うわぁ〜ん!私も花ちゃん大好きよぉ〜!」
さっきは嫌いなんて怒ってたのに。
と、私は鼻をすすりながらクスリと笑った。
私は幸せ者だなぁ。
こんなに私のことを思ってくれる人がいるなんて、恋愛なんかそっちのけになりそう。
なんて。
と、その時。
「おい!どうした!」
メイドルームのドアを勢い良く開け放って飛び込んで来たのはまさかの有馬さんだった。
有馬さんは血相を変えてハアハアと息を切らしている。
そして、バッチリと有馬さんと私達は目が合った。
「ずびっ……あらぁ、有馬くん」
「…………なんでそんなに泣いてる」
「花ちゃんと恋愛話してたのぉ」
「……………………」
やってしまった。
……と言わんばかりの落胆っぷりだった。