イケメン王子の花メイド




書斎へ向かわれたのでは!?








「母さんの声が聞こえたから引き返してきた」



「あら、そんなに声大きかったかしら」



「大きいな。あと威圧的」



「まあ、この子ったら。…て、いいのよそんなことは」











響子様は長い前髪をかき上げると、腰に手を当ててふふんと笑った。



そして、顔をしかめる棗様を見つめて、響子様は誇らしげに言い放つのだ。
















「喜びなさい棗。あなたに婚約者が出来たわ」


















大きな声は屋敷中に響いたように感じた。



……というか、私の頭に何度もその言葉は反響されている。











………………え。





……棗様に、婚約者……?








< 241 / 314 >

この作品をシェア

pagetop