イケメン王子の花メイド
「あら、あなた新人の……何やってるの?」
私を見つけた響子様は、立ち止まって見下ろしてくる。
私は棗様のジャケットを抱えたまま、ピシッと背筋を伸ばした。
「な、棗様にお茶を入れようと思いまして!」
「その棗はどこ?」
「書斎に…!」
「母さん」
ふと、静かな声が私の後ろから聞こえてきた。
振り返ると、棗様がこちらに向かって廊下を歩いて来ていて。
……って、棗様っ?
メニュー