イケメン王子の花メイド
「本当に……ありがとうございますっ」
「決心はついたか、沢田」
「はい……!私らしく、素直な気持ちをお伝えします!」
「それでこそあなたですね。何かあった時のフォローは私達でやりますから」
「えっ、でも……」
「部下のミスをフォローするのは先輩や上司の役目だ。気にするな」
「その通りです。……でも有馬くんはそれで宮本さんを甘やかし過ぎる節もありますけれど」
「……返す言葉がありません」
「ふふ、……ありがとうございます、前川さん、有馬さん」
前川さんも、有馬さんも、
なんて素晴らしい人なんだろう。
私もいつか、こんなお2人のようになれるかな。
「では2人共、部屋に戻りますよ」
「はい!」
カツカツと歩き出す前川さんへ、私と有馬さんが続く。
……告白。
ちゃんと言えるだろうか。
いや、言ってみせる。
棗様に全てお伝えしてみせる。
結果が1番怖いけど、良い方に転がってくれることを信じるんだ。
皆さんがここまで応援して下さってるんだから。
……頑張ろうっ。