イケメン王子の花メイド






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そろそろ棗様がご帰宅される頃。

私はエントランスに立って棗様を待っていた。



……早く棗様に会いたい。

前よりもそう思う気持ちが強くなった。


私、棗様のこと好き過ぎでは?



そんなことを考えていた矢先、遂に玄関の扉が開かれた。




「……あ、おかえりなさいませ!棗様!」




カツカツとこちらに歩いて来られる棗様に私は駆け寄る。


そしてその足はぴたりと止まった。




「……あ」


「こんにちは、花ちゃん」




美し過ぎる笑顔を見せて下さったその女性は、棗様のあとからエントランスに入って来られた。




「綾小路様……?」




な、なんで綾小路様が……?

しかも棗様と一緒に来られた??




「すまん花。綾小路さんが花とどうしても話したいと」


「……へっ?わ、私とですか!?」


「突然ごめんね、花ちゃん。……いいかな?」




心配そうに私達を見つめている棗様と、いつものように優しい表情を向けて下さる綾小路様。


……綾小路様が私と話したいなんて。

まさか、そんなことを仰って頂けるとは……。


私の返事は一つしかありません。




「もちろんです……綾小路様」


「わぁ、ありがとう」




そうして私と綾小路様は2人っきりで談話室へと移動した。


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